ミッド・ナイト・イン・パリ

ウディアレン監督作「ミッド・ナイト・イン・パリ」見てきました。(以下、ネタバレあるかも)
 
派手さはないけどなんとも楽しくて小じゃれててファンタジックでかわいらしいアレンらしい作品でした。
現代のアメリカに生きるギルの憧れる20年代のパリ。アレンの作り出した20年代の世界は活気に溢れ、生き生きとしていて確かにとっても魅力的。そこに次から次へと現れる偉人たちにわくわく。(しかもその偉人たちを演じる役者たちがとっても豪華。)その世界はギルにとっていいことばかり。なぜタイムスリップしたのか?とか、なんか教訓的なしっぺ返しがあるんじゃないのか?とか、余計なこと考える間もないくらいギルと一緒に20年代を楽しんでしまいます。
対して現代での婚約者とのすれ違いっぷり。最初はうまくいってるように見えたんだけど20年代の素敵な世界を経験したギルには粗が見え始め、彼女に合わせる気持ちを失っていったってところかな。彼女もそんなギルに呆れ・・。夢を追いかけるギルの、ロマンチックでアーティスティックな部分が理解できない婚約者のセレブ願望みたいなのも極めてリアルでおもしろいです。さらに、ウマの合わない彼女の両親と、嫌味な友人とのやり取りもかなりおかしい。婚約者との顛末とか、レコード売ってる彼女との恋愛感情みたいなのは(彼女の容姿含め)、最近のアレン作品に共通してる感じ。
登場する偉人たちは日本人のワタシでも知ってる超有名な人ばかり。作家、画家、音楽家・・。ただ、これ、この人の人生とか詳しく知ってたらもっとおもしろいんだろうなーと思いながら見てました。有名なエピソードに絡めてるんだろうなーと推測しながら見た部分もちょっとあったんで。
なので、日本人偉人バージョンで見てみたいなーなんてしみじみ思ってしまった。100年前くらいの東京にスリップして当時の文壇の面々に・・って、おもしろそう。ミッドナイトインTOKYO。