「噂の男」

わうわうで昨日深夜、舞台「噂の男」を観る。放送は11:00からだったけど、昨日帰りが遅かったので、ワタシは1:00amくらいから追っかけ再生で。約2h30minだから見終ったら3:30amだし、途中で寝ようと思って見始めたのだけど、2h30が嘘のようにあっという間!でした。
いやぁ、おもしろい。舞台をTVで見てあんなに楽しめるなんて。まずストーリーが飽きさせない。サスペンスコメディ(そんなジャンルあるかどうかわかんないけど)テイストで、笑わされつつ、最初から最後までずっとひきつけられっぱなし。
お笑いの舞台裏(まさに文字通り)で、芸人やその周りの人々の思念が(実は複雑に)絡み合い、10数年過ぎて尚続く無念や怨恨や疑惑や後悔や、人間の汚い部分、人には見せない裏の部分、ネガティブな感情のぶつかり合いの応酬なのに重くなりすぎたり暗くなりすぎたりせず、見ていて全く不快ではなく、むしろ心地よさ、ある意味爽快というか、乾いた軽い、どろどろとかとは対極の想いを感じてしまった。
とにかく、スゴイ役者が集まってスゴイ芝居をしていて、なんか圧倒され、感動し、ホント惹きこまれた。特に橋本じゅんさんはすごいなー。うまいなー、と一言で言ってしまうのは申し訳ない程ですが、うまいですね。
10数年前の、人気が出始めたパンキチの長い稽古風景ではホントの漫才師の漫才をみている錯覚に陥った。本気で笑ってた。
後半、現在のアル中・廃人同様のもっしゃん(実在人物のパロディ??)が突然正気を取り戻したように、生き生きと若手芸人や元マネージャーにダメ出しをする場面や、相方の死を悔やみきれず自分を責めるところや、落ちぶれた彼が哀しくて、TVの前でワタシまで涙が出そうになってました。
で、結局の最後の告白だよ。怖っ。すごすぎて怖っ。
・・すげーなー。もう彼のお芝居に感動しました。
他の役者さんたちもそれぞれの裏表を素晴らしく演じています。このお芝居、過去と現在を行ったり来たりするんですが、役者さんにとっては、ずっと続いている中でこのシーンは過去、次は現在、とくるくると演じ分けなければいけない訳で(しかも過去と現在はみんな立場も状況も心情もものすごく変化してる)、映像と違ってナマモノの舞台では、気持ちを切り替えるのが難しくないのだろーかと思ったりして。さすが舞台役者!という感じですね。ほんと良いお芝居でした。
なーんで、ワタシ劇場に観に行かなかったんだろ・・と後悔。去年の夏だよね?チケット発売前はぜひ観たいと思ってた記憶があるのに、結局なんでやめたんだっけなー。見に行けばよかった。こんなすごいお芝居、やっぱ生で観たかった。でも見逃してたこんな名作をTVで観れてよかった。ワタシ最近はわうわうの演劇放送にハマッてるなー。