祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~蜷川ver

祈りと怪物 蜷川ver、昨日のソワレ観ました。大雪の中行ってまいりました。
昨日の席は2階最後列・・。S席なのに・・。なので役者さんたちの表情はおろか、細かい動きなどはほぼ見えず。あの、ト書きのスクリーンを見下ろし、井戸のカラクリまで見えてしまう天井席だったもので。この後、まだ観劇予定なので、ちゃんとした感想はまたいつか。とりあえず覚えてる限りでKERA verとの比較などを。(以下ネタバレ)
 
ざっくりの感想。KERA verに比べると終始重厚な感じ。KERA verは今風のおとぎ話だとかゲームの世界だとか、敢えて俗っぽい印象にしている気がしたのだけど、こっちは逆に敢えて重厚感出してるみたいな印象。重厚な芝居を、和風テイストを加えて壊してみました、みたいな。コロスは賛否両論ありそうだけど、あのラップの、あまり上手くない感じも、それはそれでありなのかも。とか思ったり。KERA verではあっさり薄めだったトビーアスも、もうちょっと人物像を掘り下げて、見せ場も作ってと、予想の範囲内で変化あり。前半の気弱なところはどこかで見たことのある剛くんという感じなのだけど、パブロの一件で覚悟を決めてからと、最期のシーンは見応えありました。
 
その他の役。ついついこの役はどっちverがいいかなーと思いつつ見てしまうので、ワタシ的に初見ではこっちが好みという対比を。
まず、パキオテは大倉さんがハマってたので、あれは超えないだろうと勝手に思ってましたが、石鹸さんのパキオテ、ぴったりでした。悲壮感も増してて。見た目からしてなんだか似合ってる。玉乗りもお上手。メメとアリストも、イヌコ・マギー組がすばらしかったのでどうかなーと思っていたのですが、こっちもよかったです、特にランちゃん。いつも思うのですが、舞台での彼女はイメージと違ってドスが効いてます。さとしさんの錬金術師も胡散臭さが増していて、この4人の絡みは見応えありました。ドンガラスは生瀬さんのイメージが強すぎて・・。三姉妹はどっちでもいい・・ような。っていうか遠くてよく見えなかったんで、気を許すと脳内でKERA verの三姉妹に勝手に変換されてしまってたり。パブロは断然公園くん。蜷川verの彼はあぁいう役割なんだろうけどパターンが一緒で鼻につく。レティーシャ共々、こっちの2人にはいまひとつ感情移入できなかった。ペラーヨはナルシさんよりも病的な匂いのするバイト君がなかなかにいい感じ。他の方たちはそれぞれどっちもいいなーと。そんな中、ワタシ的にいちばん残念だったのはヤン。この話では結構肝の存在だと思うんだけど、ちょっとねー・・・。セリフの言いまわしとか笑うのとかも微妙だし、ミステリアスな感じも全くしないし・・。探し求めていた父の正体を知った場面での迫力のなさには苦笑いしてしまいました・・。お若い方のようなので、回数重ねて小慣れてきたらよくなるのかしら。次回、期待したいと思います。(やはり先に見た方のイメージに引っ張られるってのはありますね、全体的にも。)
渋谷の街が現われるお得意のラストシーン、昨日は雪の街へと消えていくのが幻想的できれいでした。レアですね。