ウェルカム・ニッポン

大人計画「ウェルカムニッポン」観てきました。(以下、ネタバレ)
 
とにかく大人計画劇団員が勢揃い(猫背さんは残念でしたが)というだけで、ものすごく贅沢な感じ。更に出演という形ではないけれど星野源ちゃん、少路くんまで参加しているのが、大人計画ファンとしては嬉しい限りです。(少路くんのあのキラキラの笑顔が夢に出てきそう・・。)
内容の方は、ストーリー的には割と単純。ひたすら小ネタや出オチが多いので常に笑ってる感じ。
 
辛いことも悲しいことも悲惨なこともばかみたいなことも神聖化していることもタブーなことも、結果だけ見ればみんな同じ。みんな不条理な世界の不条理なシステムの不条理な論理の不条理な条件の不条理な運命の中、それぞれにたくましく生きているのだなー。小賢しくもあほらしくも薄汚くも、どうしようもないプライド、捨てたり捨てられなかったり。信じたり裏切ったり受け止めたり突き放したり。辛くも生きていくのだなー。松尾作品特有の、後味の良さと悪さの絶妙なバランスというか、虚無感と同時にちょっぴりの希望なんかも感じたりして。概して満足です。
ただ、ワタシ的には、エイドリアンが進行の鍵を握っているってのがちょっと退屈だったかな。外国人で、しかも劇団員ではない彼女の芝居に集中するのはちょっと努力が必要だったというか。時に冗長に感じたりして。(基本、ワタシは松尾作品は男性目線の方が好きなんです。)紙ちゃんの最後の方のセリフにあるように戦争に勝ったアメリカ人が・・ってとことか、彼女のルーツ(jewish)とか、必要性はよくわかるんだけど、劇団員の濃さに比べて彼女ではちょっと太刀打ちできてなかったなー・・と。
そんなんで、劇団員の皆さんの掛け合いはホント安定感というか安心感というか、肩の力を抜いて脱力して爆笑できるました。当然のように、いろんな意味でキワドいシーンの連続なんですが、さすが劇団員。底力を見せ付けられました。サダヲとか吐夢さんとかクドカンとかカヲルさんとか池津さんとか紙ちゃんとか、やっぱり舞台役者だなーとしみじみ思いました。ちなみにワタシは公園くんのダメホスト役が大好きなので、今回も朝丸に萌えました。このキャスティングはさすが松尾さん、ですね。
とにかく。劇団員がほぼ全員揃って、それぞれが惜しみなく個性を打ち出しつつ、ちからいっぱい笑わせてくれるそのエネルギーに圧倒されます。(冒頭の仮装で勢揃いと浅草キッドのところが最高でした。)もうほんとそれだけで大満足。