バーン・アフター・リーディング

コーエン兄弟の最新作「バーン・アフター・リーディング」を見ました。(以下、ネタバレあるかも)

爆笑モノを想像してましたが、そうではなく、どこに進むのかわからないまま、まったりとした中にブラックな笑いが散りばめられているという感じ。爆笑おバカムービー風の宣伝に惑わされましたが、よく考えればこーゆーのこそコーエン兄弟らしいじゃないですか。アメリカの、いわゆるお国を守る役人達に対する痛烈な皮肉というか。みんなマヌケで人命なんて虫けらほどにしか考えてないっつーね。
そして現状に満足できない愚か者たちがじわじわと堕ちていく様。
アホな人たちが、最後まで勘違いしたまま、巻き込まれなくていいやっかいごとに巻き込まれたり、裏切っているようで裏切られてたり。アホだなーって見下してるヒトをさらにまた見下してる高慢なアホなヒトがいて。この世の中はこうやって動いているのです。皮肉なことに。
とにかく曲者揃いの役者がたまらないです。マルコビッチの(クビになってもなお)エリート意識丸出しの嫌味な感じ。ジョージクルーニーの上辺だけの欲望だけの浅い感じ。フランシス・マクドーマンドの自分こそ負け犬の切羽詰った感じ。そしてそしてブラピの愛すべきアホぶりよ。こーゆー役やらせたら彼は最高だと思う、ホント。
一般的に評判はそれほどでもないみたいだけど、コーエン兄弟独特の渋い笑いと、ヒトクセもフタクセもある役者達、ワタシ的には充分おもしろかったです。