「トゥルー・グリット」

コーエン兄弟監督作「トゥルー・グリット」見てきました。節電その他で上映館が当初の予定より減ったり、やっててもレイトショーがなかったり、と映画館もまだまだ落ち着かない感じでガラガラなのかもと思ってましたがそこそこの入り具合でした。
しかも。客席の9割5分は50~60歳代の初老男性・・。たまにその中に連れられてきた奥様がいるくらいで、ワタシのような年齢の女子は(男子も)全く見当たらず・・。映画が始まるまでちょっと居心地が悪かった。それにしてもこの客層はなぜ?ワタシが行った回が特別なのか?ジェフブリッジスっておじさまに人気なの?西部劇だから?オリジナルにハマッた世代なの?・・まぁ別にいいんですけどね。コーエン兄弟って若者に人気だと思ってたんでちょっと意外でした。
で、肝心の映画の方。さすがコーエン兄弟、面白かったです。(以下、ネタバレあり。)
敵・味方、人間関係のシンプルさ、敵討ちに向かって進むすっきりとわかりやすいストーリー。その隙間にたまに垣間見える毒とユーモアに、なんだかクセになりそうな若干の罪悪感を抱きつつ・・。
敵討ちという血生臭いものではあるのだけれど、クライマックス部分は少女目線のファンタジーのような要素も感じられたりして。そしてラストの25年後。あれが効いてました。切ないけれどもなぜか希望を感じ、感動もあるけど安っぽくない。ここまで見て、あーこの作品が(賞レースなんかでも)賞賛される意味がわかったなーと。
キャストもいいです。ジェフブリッジスを始め、ラビーフ役のマットデイモン、もちろん14歳の彼女(あの大人顔負けのしっかりしすぎた感じがなんとも可愛らしかった)もそれぞれ役にぴったりはまってました。そして悪役チェイニーを演じたジョシュブローリンがものっすごいリアル。初めて彼がちゃんと登場した川原のシーンでは、滲み出る残酷さと狂気にぞぞぞーっと背筋が寒くなりました。あのいやらしさが、汚らしさが、怖い。この時代のこういう場所にはホントにこういう人達が居たのだろうなと思わせるほどの。
派手ではないけど見ごたえたっぷり。おもしろかったです。