FORTUNE 1/30ソワレ

3度目で最後のFORTUNE。というわけで感想まとめ。

今回は真ん中より後方、どセンターの席。今までで一番後ろだからと思っていたけど、全体を見られてこれまででいちばん楽しめました。

実は今作、意欲的な作品だとは思うけど、それほど好きな作品ではないかなーと思っていたのです。英国人による英国演劇としてはいいのかもしれないけど、そのまま日本人キャストでやるのは違和感があるかなーと。「夜中に犬…」みたいに日本版に翻案した方がよかったのでは?と。

しかし昨日観たらその辺りが全く気にならなくなっていて、素直に面白い!と思ったのでした。前回の観劇から10日くらい経っているので小慣れたというか進化したのですかね、10分短くなったことだし。

特に、一幕終わりの♪アメーリーカーからのアメリカ!シーンへの転換が素晴らしい。二幕の不穏なムードからのワルプルギスの夜的な妖しいパーティへの転換も最高。リンチ的というにはちょい健全ですが確かに雰囲気は感じる。

とにかく次シーンへの劇的な転換が見事。無機質なセットが効果的。

脚本家が書き上げる作品と自身の運命、有限と無限、神とルシファー、父とフォーチュン、昇天と堕落、契約前のフォーチュンの虚無と契約後の虚無…

物語の中に様々な対比があり、それぞれが光と影のように共存しているのが、深くて面白い。

うん、おもしろかった。

剛くんに関していえば、エルビスやらアメリカやら、ルーシーとの共犯者的馬鹿騒ぎが、なんというか、こういうの突き詰めていったらまた新たな方向に開けるかも、と思いました。なんか、ちょっと、よかったんで。と、ひとりごと。