大人の新感線 ラストフラワーズ

台風の中、ラストフラワーズを観てきました。以下、ネタバレあるかも。
とにかく豪華。大人計画と、新感線が、タッグを組む・・・。なんて贅沢な。観る前からそれだけで十分、と思っていたのだけど。最後まだ観たらもう最高!もう一回観たい!くせになる舞台でした。
基本的に松尾ちゃんらしいストーリー。人間の、世の中の、見て見ぬふりをしたいところを執拗なまでに突きまくる。そして今回はわかりやすく社会派テイスト。それを新感線らしいド派手な演出でベタベタにドカンドカンと煽り騒ぎ暴れまくる。
前半、次々とあの人もこの人も、そうだ、その人も、次々と出てくるわ出てくるわ。それぞれのキャラを紹介しつつ、あっちもこっちも見せ場を作りつつ、エピソードを消化するだけで、時間がかかる。ただでなくてもキャラの濃いあの人達(しかも大人数)を転がすのは、そりゃ大変だわーと。そんな感じで1幕はちょっととっちらかって、胃もたれしそうな感じでしたが、2幕で一気に収束していく、その手腕がすばらしいです。ゲラゲラ笑いながら、途中でこれは相当重めの話だぞーと気付かされていくところで、なんとも不思議なゾクゾクした感覚を味わいました。
各シーンで、つい、大人チームと新感線チームのレアな組み合わせにときめいたり、このシーンは大人チームだけだーとか新感線だけだーとか、いちいち気になったりして。(殺陣のシーンになると、大人チームは傍観者になってたりするのがおもしろかったです。)
キャラ設定はそれぞれの役者さんのイメージ通りな感じ。ワタシ的にはカヲルさん、バイト君、良々あたりを中心に見てました。バイト君の、売れない漫画家と仲間たちのシーン好きです。(あっという間に・・・・だけど。)それにしても、あの濃いメンバーで引けを取らない小池さんは素晴らしい。万獣の時も思いましたが、舞台向きの女優さんですね。顔も体も華やかで目を引くし。何よりも、あの堂々とした感じ。潔い感じ。もっと舞台で見たいなーと。
前半、華やかなイメージの新感線チームがオイシイ役どころ多めかなーと思っていましたが、最後はクドカン、源ちゃん、紙ちゃんが全部持ってっちゃった感じですね。特に源ちゃんと紙ちゃん。実は最後は涙が止まりませんでした。あのラストで救われるというか、松尾ちゃんがこういう終わらせ方をするんだなーと、しみじみしました。こういう風にわかりやすくメッセージを含んだ作品って、これこそが新感線とタッグを組んだ意義なのかなーとか。あるいは、明らかにおかしな方向へ進みつつある今現実の世の中にあって、こういう作品を書かずにはいられなかったのかなーとかね。
 
ラストからのカーテンコールは豪華、楽しい、満足、です。大人計画と、新感線の面々が、舞台上に一堂に会する様は圧巻。どこ見ていいかわからないくらい、でした。
 
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