上田現追悼ライブへ。

★ネタバレですので大阪のみご参加の方、ご注意を★
19日、気が重いけどどーしても行かなくちゃと、妙な義務感でサンプラザへ。約1年前、これとは違った緊張感(とある種の覚悟)を持って挑んだレピッシュ復活ライブを思うと始まる前から切なくなりました・・。久々の中野。久々のサンプラザ。まだレピッシュがホールツアーをしていた頃はよく来たなー。それ以来だからざっと15年ぶりくらい・・。何から何までいちいち突き刺さる・・。
開演のアナウンスの後、在りし日の現ちゃんのライブ映像「on the road」。すでに会場からはすすり泣きが聞こえていたけれど、ワタシはただただぼーっと見てました、なんか現実感なくて。
でも映像が終わって、百物語みたいに道標が登場し、ELEが演奏始めて。いつもなら現ちゃんが唄いだすところで、マグミがさーっと出てきて「一日の終わりに」を熱唱し始めたときに、あー現ちゃんはもういないんだ・・と現実を突きつけられた感じになって涙が勝手にぼろぼろこぼれました。その後、奥村大ちゃんがボーカルをとるのですが、ずっと涙がとまらなかった。泣きたくないのに・・。
現ちゃんが亡くなって以来、まともに現ちゃんの曲を聴いていなかったワタシには、久々の彼の名曲たちが全身に沁み込んできて、あーこの人はワタシにとってかけがえのない人だったんだなーと改めて思いました。おそらく肉親以外でワタシの人格形成に一番影響を与えてくれた人であろうとホンキで思う。今のワタシの何%かは(良くも悪くも)この人のおかげでできあがったものだろうなーと・・。そんなこと考えてたらますます哀しくて淋しくて・・。
そんな哀しみムード蔓延の会場を一変させたのは、やはりレピッシュでした。1曲目「プレゼント」で総立ちのサンプラザに、マグミの「一歩前へ進むため」「みんな、家で現ちゃんのこともういっぱい考えたんだろうから、今日は楽しく」の言葉。ホントそうなんです、現ちゃんだって楽しいほうがいいに決まってる。そしてマグミ曰く「あのヒトのことだから今日もこの辺に来てるに違いない」(恭一曰くは「クライマックスシリーズも気になってるから時々京セラドームにも行ってるかも」らしい!!)。マグミのその言葉を待ってました、会場のみんなが。そこからムードが楽しい感じになるんです。ワタシの涙も引っ込みました。泣いてる場合じゃないー、現ちゃんと一緒に楽しまないと。
そして現ちゃんのボーカルを入れた「大陸ラーメン」。ワタシはいつだって“現ちゃんの唄で踊るマグミ”の図が好きなんです。「おやすみ」「28歳」「サイクリング」「水溶性」と怒涛のナイス選曲。
そして。そして、です。雪好登場です。鳴り止まない拍手に何度も何度も頭を下げる雪好・・。もう、言葉はないです。現ちゃんと雪好。そうだよね、そうだよ。
そして最後に「ハーメルン」。中野サンプラザで、雪好のいるレピッシュ。感慨深すぎる。マグミたちの言うように、現ちゃん絶対にあの舞台上にいただろうなー。久々の5人のレピッシュがいたんだろうなー・・。去年、最後にレピッシュとして演奏した現ちゃんを見れたように、この日、この場所でまたこの人たちの演奏を聴けたことがまるで運命のようで、感謝の気持ちでいっぱいになりました。ちょっとシアワセな気持ちにすらなりました・・・。そしてマグミの「爆裂レインコート」の曲紹介でAXの映像が映し出され、レピッシュ終了。
その後、川村さん、ハジメさんと続くのですが、音楽の性質上?しかも女子なんで、舞台上はまた結構淋しいモードに戻るんですけどね。でもレピッシュのおかげで会場は最初とはちょっと違う空気。たまにはうるっとくるけどさ。(最初はレピッシュがトリじゃないことに???だったのだけど、なるほどみんなを早めに元気づけるには素晴らしく効果的な並びだと思いました。)
で、最後はまたELE。恭一が1曲だけ「夕焼けロック」のボーカルをとって、その後は現ちゃんの歌声で。余韻を残して本編終了。拍手が起こるまで1分くらい会場沈黙でした。
そしてアンコール。マグミが高らかに歌い上げた「Atlas」。そして最後にマグミが全員を呼び込んで(マグミは雪好が今日の一番人気だとちょっと嫉妬気味)、もちろん上田現の名前もコールしての「Happy Birthday」♪今日はこの辺でいいですかね また今度会えたらいいですよね 長く留守にすることもあるでしょうが・・の歌詞が沁みました。最後は舞台の上も下もみんなにこにこで、愛に溢れてました。
ワタシはもう、現ちゃんが亡くなってから、彼の曲も聴かず、彼がいなくなった事実から目を反らし続けていたけれど、このライブのおかげでちょっとだけ現実を見られるようになった気がするよ。今まで敢えて使わなかった言葉も使ってます。現実見ないと。残されたヒトたちが自分の人生を生きていかないといけないからさ。(ちなみにワタシは、前日に「木更津キャッツワールドシリーズ」を見て大事なヒトにさよならを言う心の準備をしたりしました。はい、アホですみません。)
でもほんと、今回はマグミの偉大さに改めて感服しました。器のでかさに。救われました、彼の言葉や、パフォーマンスに。
しかもさすがだよ、だってアンコールの最後、舞台上に出演者が並んでちょっと厳かな感じになったとき、すかさずマグミが「現ちゃんが成仏するために」みんなに「上田現、ばんざーい」と叫ばせ、間髪入れず「速やかに撤収!!」と言い残して去っていったのですよ、フツウじゃない感性。すごいでしょ、あのヒト。おかげでホントに楽しい気持ちで上田現にさよならを言えたのでした。感謝してます。
そしてマグミが、また忘れた頃にこういうのやるって言ってたからさ。今度はバンドマン上田現のトリビュートを、バンド仲間がアホなこといっぱいやって、現ちゃんも大爆笑みたいなライブがいいなーとか思ったのでした。