「カポーティ」

またまたわうわうで録画したのを夜中に見たんですが。この映画、一昨年観に行っていい映画だなーと思っていたのになぜか何も感想を書いていなかったのでこの機会に。(たしかあのときはその前後に「マッチポイント」を見たため、ワタシ的にそっちに持って行かれちゃったんだったっけ。)
実は大学生の頃とかトルーマンカポーティの小説が結構好きでよく読んでいたのだけど、当時すでに彼は亡くなっていたからワタシの中では過去の人という感覚で。でも実はアメリカ人にとって彼は実在の人として彼の作品とともにその姿が残っているのだなーとこの映画を見てしみじみ思った。だからフィリップシーモアホフマンのあの演技もとてもリアルな彼の再現となって生きてきているのだろうし。
この映画は、カポーティという人の、とてもシニカルで偏屈な感じとか、決して美化しすぎていない言動や心情なんかがリアルでよかった。時に私利のために、時に情に流され、という揺れ動く感情が静かに淡々と描かれていて、彼の苦悩や小賢しさや後悔や、そんな想いが痛いほどによくわかる気がした。だから、ラストで自分を責め立てる気持ちに押しつぶされそうになっているのもすごく説得力があった。彼と周りの人の微妙な関係性とかも秀逸で、ものすごく丁寧に作られた良作ですね。映画自体も役者の芝居も“リアル”感いっぱい。やっぱりフィリップシーモアホフマンはステキな役者さんだなー。アカデミー主演男優賞、文句ないです。
ちなみにワタシはPTA作品に出ているときのもっとchubbyなちょっとダメそうな彼が大好きなのだけどね。