いだてん「懐かしの満州」

いだてん39話。素晴らしい。

オリンピックと落語のエピソードを同時進行してきたいだてんの集大成。世間の評判とは裏腹に、わたしは(多分多くのクドカンファンは)落語パートがあってこそのいだてんだと思っていたので、今回は本当にいだてんがいだてんたる真骨頂の回だと思う。志ん生圓生も、そして小松くんも、真に胸に迫る。素晴らしい手練れの役者の渾身の芝居を見せつけられた感じ。小松くんの、抑えられない走る喜び、呆気ない最期…。志ん生の覚悟、覚醒。

オリンピックの、平和の祭典の裏側にはこんな悲しみが、惨めさが、遣る瀬無さがあった。この物語にはこれが欠かせなかったのだなーとしみじみ。

そして。やる気があるように見えない五りんを弟子にしたのは、あのハガキで志ん生が気付いていたからなのだと胸が熱くなる。自分の息子がオリンピック選手になったら嬉しいだろうと目を輝かせていた小松くんの夢を叶えてあげるべく五りんと名付けたとは…。じーーーん。泣ける。初回のエピソードをここに来て回収。お見事!本当に素晴らしい大河だ。