第四の手

ジョン・アーヴィング著「第四の手」。
上巻読み終えて、ストーリーは面白いんだけど、なんとなく平板な印象を受けて、下巻も淡々と読み進めていたのですが、最後のパトリックがドリスとフットボールを観に行くシーン(写真で馴染みのあったオットーの親戚が揃っていた場面)で一転。なんとも言えずあたたかいほんわかとした愛おしい気持ちになりました。パトリックがインドで飲んだ薬が見せた幻覚のくだりも最後には運命的に効果的に効いてくるし。パトリックにそれほど感情移入していなかったはずなのに、いつの間にかドリスとうまくいくようにと願いながら読んでました。
ワタシ的にはホントはアーヴィングの作品は初期の「熊を放つ」「ウォーターメソッドマン」、最近のなら「オウエンのために祈りを」辺りの、劇的・刺激的な作品が好みなのだけど。今作も、地味だけど愛に溢れた、なぜかノスタ
ルジックな空気を醸し出す良作だなーと・・。