「東京月光魔曲」

ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出「東京月光魔曲」をシアターコクーンに観に行ってきました。休憩挟んで3H30min、震災後の東京を舞台にした妖しさ漂う大作でした。(以下、ネタバレあり)

出演者が豪華。廻り舞台が見事。セットというか空気感が昭和初期のノスタルジック且つ妖しい雰囲気満載で、まるで江戸川乱歩やら谷崎潤一郎やらの小説の舞台を彷彿とさせる感じ。
わけありな人達をとりまく複雑な人間関係と(それはまたその前の戦争と関わっていたり)、そこで巻き起こる猟奇殺人と、さらには胡散くさげな探偵たちとが、くるくると変わる場面(廻り舞台大活躍)によって、次々と描き出されて。妖しくうずうずと絡み合うストーリーと、舞台となる時代背景とがマッチしていてひじょーにおもしろかったです。
難を言えば、主要人物が多すぎて一部分のエピソードがもたついてちょい中途半端な感じがしたりもしたのですが・・(特にタロウとジロウの結末とか)、全体的には大満足です。特に探偵&助手と売れない小説家が揃ってからはとんとんと流れるように話が進んでいってぐいぐいひき込まれたし。橋本さとしさんとイヌコさん、大倉さんのナイスコンビネーションにすっかり魅了されました。はい、おもしろかったです。