鉈切り丸 プレビュー公演 @オリックス劇場

ただいまー。ちょい観光して、大阪から帰ってまいりました。
さて、昨日の鉈切り丸の感想。まだプレビュー公演なんで、ざっくりと。(以下、ネタバレあります。これから観劇の方はお気をつけて。)
 
昨日はかなり前方の席、しかし上手寄りだったので、センターで見たかったなーと。センターで見たら相当かっこいいんだろうなーと思うシーンが結構あったんで。
とにかくエンターテインメント性はばっちりなんで、長いけど退屈しません。それぞれの役者さんは皆ハマってる感じだし。それぞれキメどころが多くて思わず鳥肌が立っちゃうシーンがいっぱいです。要所要所に殺陣が入り、いちいち見応えあります。
ストーリー自体はわかりやすく、淡々と進んでいくので、良くも悪くもそれほど集中しなくてもさらっと観られる感じ。その平坦な感じが2幕後半でゾクゾクと肌が粟立つ感じに展開。畳み掛けるように一気に転がっていく感じになんとも高揚させられます。その辺り、舞台全体が視覚的に最高にかっこよいです。(ちょっと「朧」を彷彿とさせる感もあり。)
頼朝がらみはことごとく笑いに徹してます。地のストーリーが堅実というか、地味目なんで(青木氏らしいというのか)、ここでバランス取ってる感じですかね。
前半は淡々としてるけど後半の盛り上がりは圧倒的。まだプレビュー公演なんで、このあとどう手直しが入るのか楽しみです。
 
さて、剛くんですが。ワタシ的に剛くんはイノセントな役より、狂気や衝動に突き動かされるような役が似合っていると常々思っているので、この鉈切り丸は最高なキャラクターだと思います。映画「カリフォルニア」のブラピのような冷徹というか歪んだ人格の役が見てみたいと思っていたワタシにとっては、2幕後半のいとと巴を虐待するシーンとか、もう最高よー!なのでございます。そしてあの堕ちざま・・。烏帽子を取ってから最期までがものすごく見応えありました。範頼の観念尽きかねる、あの未練がましさ。いととの最後まで救い様のない関係。とにかく圧巻の最期のシーン。
殺陣もすごいです。片足が不自由というのが範頼の殺陣の形のポイントになってるというか。
あと、ストーリーテラー的な要素も範頼が担っていて、場面が変わる度に鳶に話しかけるモノローグも印象的でした。(しかし、剛くん第一声が出しにくそうでしたね。)
 
というわけですが、一夜明けたらなんかじわじわきました。次に見るのは東京なんで、どんな風に完成しているか楽しみにしてます。