「シダの群れ」

「シダの群れ」、本日マチネを観てきました。以下、ネタバレあるかも。
 
裏社会で生きる男たち女たちの絡み合った人間ドラマを、それぞれの生き様を、事情を、苦悩を、描き出した作品。いわゆる暴力団事務所といわれる場所を舞台にし、跡目問題を巡って交わされるそれぞれの思惑だの愛情だの憎悪だのを、場面転換なしにほぼ会話のやりとりのみで表現している感じ。
なので、聞き逃さぬよう全ての台詞に集中しないといけないんで、ちょっと疲れます。まだ登場していない人たちの関係性を他者の台詞から結び付けないとといけない感じなんで。
それでも1幕目は結構テンポ良く話が進んで、わかりやすいのだけど、2幕目始まってすぐ辺りから、かなりの中だるみ感。どこかに向かって盛り上がっていく感じがほぼないので軸を見失ってただ冗長な感じだけが残るというか・・。
で、唐突にラストへなだれ込む感じ、サダヲ扮する森本のラストに向けて加速する狂気がちょっと取ってつけたようでいまひとつ説得力を感じられなかったり・・。
役者はいいんだけど、ホンなのか演出なのか、特に後半、ワタシ的にはひきつけられる要素が少なかったかな。全体通して決してつまらなかったわけではないのだけどね。
シリアス部分が続き過ぎたんでこの辺でお笑い要素を・・とでも言わんばかりに挿入されるオモシロ部分にもちょっと違和感を感じたり。ひとつひとつは面白いんですけどね。
役者では、風間・伊藤両氏のベテラン勢はさすがの迫力。江口のりこさんも役に似合ってて良かったです。(もうひとりの江口さんは持ち味を生かし切ってない感じ?ちょっともったいない。)
そして何よりも、ワタシ的には近藤公園くんに釘付けだったんですけど。(実は今回は公園くん目当てでした。)普段誰よりも真面目そうなのに、ああいうチンピラ的な悪い役がとっても似合う、と思う。2割り増しでカッコよくなると思う。(「ドブの輝き」とかね。)いいです。とっても。サダヲと喧嘩するシーンとか一人ウキウキしちゃいました。
そういえば今日、カメラ入ってましたよね?