ケラ風どん底

wowowで録画しておいた舞台「どん底」を見る。
ケラさん演出なんですけど、ゴーリキー作のあの「どん底」です。随分意外なモノに手をつけるなーと初めてチラシを見たときには思ったものですが・・といっても名作ゆえに勝手に知った気になってるだけで実は初見。暗く重く不条理なこれぞロシア文学みたいなイメージ先行。こんなワタシでも最後まで退屈せずに見られるだろうかと心配しつつ。
見始めてみたら3時間半、一気に最後まで見ちゃいました。このケラ版「どん底」、確かに暗く重苦しく不条理なこれぞロシア文学の世界なのですが、そこかしこに絶妙な笑いが入ったり、ところどころに差し込まれる楽団(たま石川氏!)の効果でちょっとファンタジーというか、現実的な不幸のまさにどん底の人々の描写のナマナマしさにフィルターがかかる感じでバランスがよいなーと。
バンドブーム世代のワタシの中ではケラ氏はいまだに「ナゴムの」ケラさんなのだけど、やっぱりこのヒトの芝居の演出っておもしろいなーと改めて思いました。