「スゥイニートッド」を観た

昨日、レイトショーで「スゥイニートッド」観てきました。
ティムバートンは大好きな監督なんで。そのティムがジョニーと、とくれば面白くないわけがないと何の疑いもなく当然のように観に行きました。この映画に対してほぼ予備知識なしで。ブロードウェイミュージカルの映画化ということくらいは知っていたけど。(以下ネタバレ)

とにかく一言で言えば、グロい。そして痛い、観てるだけで。
この物語のダークな雰囲気を演出するためか全体的にモノトーンというかセピアっぽい色の映像で、大人たちは一様に不健康な顔をしていて、ジョニーにいたっては白塗り、目の下にクマ、血走った目、振り乱した髪といういでたちで、かみそりを手に歌う姿は時にエドワードシザーハンズに見えなくもない(対照的に若者達はばら色の頬をして目を輝かせている)。彼らの暮らす19世紀のロンドンの街並みは不景気に荒んだ人の心を反映したように薄暗くどこか不気味な影を落とし静かに冷たい。ワタシがティムの映画の好きなところのひとつに造形物の芸術的な美しさがあるのだけど、今回はこの街並みにそれが発揮されていました(あれはセットですかね)。おどろおどろしくも美しい。
最初の30分は説明的で退屈でどーなることやらと思ったけど、いんちき理容師のピレリが出てきた辺りからストーリー的にぐっとおもしろくなった。Mrトッドはひたすら復讐心にのみ突き動かされていてダークでシリアスな分、そこに絡んでくるMrsラベットのシーンのちょこちょこ散りばめられたユーモアが効いてくる。そこかしこに「ビートルジュース」やら「コープスブライド」っぽいキモカワイイ感じが見え隠れしていて、彼女の存在自体が、ダーク一色な話にとって救いに感じられたりして(最後にはあーなってしまうけど・・)。この映画のヘレナボナムカーターはとてもいいなーと思った。観おわって残る切なさとしては、Mrトッドより彼女の方だな。うん。あと、あのトビー役の少年も存在感ありましたね。はすっぱな感じと純粋な感じが同居していて。(歌も彼が歌ってるのだとしたらすごい子だなー。)
最後の救いようのないラストは原作モノだからしょうがないとして、首を斬るシーンはとにかく直視できないほどグロく、痛そう。しかも連発。面白いんだけどそんな感じでちょっと疲れた。あ、でもレイトショー向きだと思う。雰囲気倍増ですから。
(最近のジョニーブームでファンになった婦女子のみなさんはこれを見てどう思うのだろうか・・。などと要らぬ心配。)