「ソーシャルネットワーク」

ソーシャルネットワーク」見てきました。デヴィッド・フィンチャー、大好きって程でもないけどつい期待してしまう監督の1人なので。(以下、ネタバレあり)
 
面白かったです。ヒジョーに興味深い。デヴィッドフィンチャーらしい映像(重苦しいトーン)とわかりやすいストーリー展開が意外にもマッチ。テンポがよくて冒頭からあっという間に引き込まれ、中だるみ一切なし。ストーリーを取り立てて感動的にも劇的にも仕立て上げずに、短めにあっさりと終わったのも潔い感じ。
主人公マークの嫌味なところ、愛すべきところ、天才ならではの鈍感さと孤独と、それが引き起こす人との軋轢。そんなものがうまく描かれてました。彼を特に悪人にもせず、かといって英雄視も被害者にもしていないので鑑賞後の後味がよろし。ワタシ的にはエドゥアルドに感情移入・・というか彼が哀れで最後は泣けてきました。(彼は「Drパルナサス・・」のアントンの人ですね。今作でもいい感じです。)
マークと対する立場になるボート部の双子のキャラ設定もいいですね。(ボート部、ソーシャルクラブ・・。冒頭部分、後々まで絡んできます。)ブルジョワならではの根っからのジェントルマン気質を盾に横行する彼ら。おそらく彼らには悪気はなく、良かれと思ってそうふるまっているのだろうけど(そしてそれは他から見たら時代の遺物なのだけど)。マークの鈍感さが天才ゆえなら彼らはその家柄ゆえに他の人の痛みに鈍感なのだなーと。歴史と名誉に満ちたハーバードにはそういう人、いそうだよなーと。両者の対比、そしてそれぞれが抱く意識の温度差(あの公判でのマークの眼中にもない感じが物語ってます)なんかが面白いです。
 
それにしても、最初に学生寮で女子をランク付けするサイトを立ち上げるエピソードの辺りで、アタマの良い集団っていいなーと、レベルの高いところでのわいわいした感じが羨ましいなーと、なんて妙なところで羨望を感じてしまったのでした。