げのむ

そういえば、先日wowowで放送していた「色彩復元ミステリー 美術のゲノム」という番組を見まして、なんかすごーく興味深くてですね。いい番組だなーとしみじみ。
修復師という肩書きのお方(見た目お若く、結構ノリがよい)がふるーい日本画をPCでデジタル復元してくんですけどね。震災で焼失して今は当時撮った白黒写真しかない作品とか、古過ぎて色が残ってない作品とかを探偵のように、断片的な手がかりから色とか割り出していくんですが、デジタル復元っていうのがまたミソで、復元したぴっかぴかの名画を手にとって見れるわけですよ。美術館の厚いガラスの中に眠っている色褪せた本物には決してできないことだけど。この番組全編通して、今はそんな風に大事大事にされてる美術品は、できた当時は庶民が気軽に見て触れられるものだったんじゃないかって説を押していたので、まさに当時の人たちがそうしていたのではと思われるそんなスタンスで(復元した)名画に接して色んな形で楽しんでいるんです。例えば当時は、ホラー映画を見る感覚で、ろうそくの明かりだけで一人地獄絵を眺めて怖さを楽しんでいたのでは・・とか、絵巻の本来の用途、ストーリーを琵琶法師の語りとともに実際に楽しんだりね、なんてゆーか、ロマンやなー・・。
それにデジタル復元ってある意味冒険できるっつーか、すごい可能性を秘めている感じで、もし忠実に再現するのを目的としなければ素人でも名画を好きにいじれていろんなことできて楽しそうだ。
そしてなんといってもこの番組、出演者が秀逸。司会のいとうせいこう氏(大好きなんです)をはじめ、ゲストの荒俣氏、八田女史、話のわかる修復師のコメントが、とても的確で鋭い上にユーモアに溢れていてヒジョーに興味深かった。アカデミックに偏りがちな内容をかなりバラエティ色濃くしていてすごく面白くてとっつきやすい。さすがわうわう。一味ちがうぜー。ぜひぜひ続編とか見たいなー。