「タロットカード殺人事件」を観た

昨日深夜、スーパーレイトショーで見てきました、「タロットカード殺人事件」。
ウディアレン、さすがです。彼は普段は(インタビューとかで見る限り)神経質そうな気難しそうなおじいさんといった感じなのに、スクリーンに出てくるだけでなんだかおかしい。コメディアンです。今回も、ネガティブオーラ漂うぼやきマジシャン姿がはまっています。
結構全編通してくすくすと笑えるシーンがいっぱいあった印象なのだけど、改めて考えるとこの話の中で実はコメディ要素があるのはほぼウディ演じるシドだけで、しかもほとんどは彼の言うセリフの面白さなのだなー。ウディの作品はとてもシニカルで品があってそして面白い。そのイメージはそのまま彼の書くセリフの特徴でもあるのですね。
名作「マッチポイント」に続くイギリス舞台の作品。とても「アメリカとイギリス」を意識しているのが興味深かった。最後のオチ(というかやや衝撃のシドの結末)まで左車線ネタというこだわりにも。
そしてヨハンソン嬢、あーいう現代っ子風な役も結構似合っていて、なんかじいさんとやりあう感じとか微笑ましかったわ。
全体的にみても面白かったです。小気味いいセリフの応酬でテンポが非常に良く、どんどん引き込まれます。最初からあり得ない設定ですが、コメディですから。オチも甘すぎず、大人の鑑賞に耐え得る良質のコメディといった感じ。ちなみに邦題より原題「scoop」がぴったりな印象。邦題で内容を期待していくとピンと来ないんじゃないかな。まぁそっち系が好きな層にもアピールっていう大人の事情でしょうけど。